「契約期間は最短で何ヶ月?」
「期間工は最長で何年働けるの?」
「メーカーによって契約期間は違うの?」
「契約期間が終わったらどうするの?」
このように、最短あるいは最長でどのくらい働けるのか、また、契約が切れたらどうなるのか、期間工の仕事を検討するときにはさまざまな疑問や不安があるかと思います。
一般的には、契約期間を3ヶ月~2年11ヶ月としているメーカーが多いですが、最長で4年11ヶ月まで働ける職場もあります。
期間工は「期間限定の契約社員」なので、一定期間が過ぎれば退職することになります。
ただ、一旦契約が切れても「再雇用」という選択肢もあります。
ここでは、メーカーごとに期間工の契約期間や更新時期を紹介します。
あわせて、契約を満了することのメリットや、契約満了後にはどういった選択肢があるのかも補足します。
目次
期間工は契約期間が決められた契約社員のこと
そもそも期間工とは、「契約期間が決められた契約社員のこと」です。
つまり、期間限定の従業員ということになります。
したがって、期間工で働くということは、「無期限」で雇用されるわけではありません。
まずは、ここを大前提として覚えておきましょう。
しかしながら、メーカーによっては契約期間を延長できたり、場合によっては社員登用されることもあります。
また、再雇用という選択肢もあるので、そのあたりも踏まえて、どのメーカーの期間工として働くのかを検討してみてください。
契約期間の最短&最長をメーカーごとに比較
期間工の契約期間は、「最短3ヶ月~最長2年11ヶ月」というのが一般的です。
ただ、メーカーごとに契約期間や契約更新の時期は異なるので、あらかじめチェックしておきましょう。
ここでは、期間工を募集している代表的な自動車メーカーごとに契約期間を紹介します。
【メーカー別の契約期間・更新時期】
メーカー・企業 | 最短 | 最長 | 契約更新時期 |
トヨタ | 3ヶ月 | 2年11ヶ月 | 6ヶ月毎 |
スバル | 4ヶ月 | 2年11ヶ月 | 2ヶ月毎 |
ホンダ | 3ヶ月 | 2年11ヶ月 | 3ヶ月毎 |
日産 | 6ヶ月 | 4年11ヶ月 | 6ヶ月毎 |
マツダ | 6ヶ月 | 2年11ヶ月 | 6ヶ月毎 |
アイシンAW | 6ヶ月 | 4年11ヶ月 | 6ヶ月毎 |
※期間工を募集している企業の一部です。
- 【初回契約期間】3~6ヶ月が一般的
- 【契約更新時期】3~6ヶ月ごとに契約更新する職場が多い
- 【最長契約期間】2年11ヶ月が一般的(長いところは4年11ヶ月まで契約できるところがある)
契約期間は、最短で3~6ヶ月になります。
つまり、「まずは3~6ヶ月は働いてくださいね」ということです。
そのあとは、3ヶ月毎または6ヶ月毎に契約更新の時期が来ます。
たとえば、期間工で1年働きたい場合は、
「3ヶ月更新を4回」または「6ヶ月更新を2回」
という具合に契約更新をします。
もちろん、短期を希望する場合は、初回契約の3ヶ月~6ヶ月後に退職することもできます。
仕事ぶりに問題がなければ、期間工をいつまで続けるのかは自分で決められます。
期間工は契約満了するとボーナスがもらえる
ですから、まずは「3~6ヶ月」働くのを目標にがんばりましょう。
その後いつまで契約を更新するかは、そのタイミングで考えれば大丈夫です。
次の目標がある場合は、その都合にあわせて契約を打ち切ればいいですし、とくに次が決まっていない場合は、そのまま契約を継続していけばOKです。
期間工は働く期間が長くなるほどお得!
実は、期間工にもボーナスのようなものがあり、それを「満了慰労金」といいます。
条件はメーカーによって異なりますが、3ヶ月あるいは6ヶ月の契約を満了した人に慰労金が支払われます。
たとえば、トヨタ自動車の満了慰労金は、次のとおりです。
【トヨタ期間工の満了慰労金】
契約期間 | 満了慰労金・報奨金 |
3ヶ月満 | 122,000円 |
6ヶ月満了 | 390,400円 |
12ヶ月満了 | 488,000円 |
18ヶ月満了 | 512,400円 |
24ヶ月満了 | 536,800円 |
30ヶ月満了 | 561,200円 |
35ヶ月満了 | 576,000円 |
合計 | 3,064,800円 |
このように、契約を更新するごとに、毎月の給料とは別にかなり大きな金額が支給されます。
しかし、契約の途中で退職すると満了慰労金はもらえません。
たとえばトヨタの場合、4ヶ月務めれば「1回目の122,000円」は支給されますが「2回目の390,400円」はもらえません。
したがって、契約を更新すると決めたら、3ヶ月ないしは6ヶ月をきちんと勤め上げることが大切です。
そうすれば満了慰労金をきっちり受け取れるので、断然お得です!
なお、満了慰労金の支給額はメーカーごとに大きく異なります。
せっかく同じように働くのですから、できるだけ条件のいいところを選びましょうね。
期間工の5割が就業期間2年以上
では、実際に期間工として働く人は、どのくらいの期間を務め、退職しているのかを見てみましょう。
【就業期間の割合】
就業期間 | 割合 |
6〜12ヶ月 | 25% |
13〜23ヶ月 | 25% |
24〜35ヶ月 | 50% |
これを見てもわかるように、短期でお金を稼ぐのが目的の人もいます。
しかし、大半の人が1年以上務めており、全体の半分が2年以上務めています。
やはり長く働けば満了慰労金などの待遇が良くなるので、それを目的に勤め上げる人が多いのだと思います。
もちろん、そのメーカーの契約が満了しても、次にほかのメーカーの期間工として働き続ける人もいます。
期間工は給料がいい分、「きつい」というイメージがあるかもしれませんが、多くの人が1年以上働き、満了慰労金などのメリットを受けていることがわかります。
期間工満了後の選択肢
期間工は短期間でも高待遇を受けれるため、お金を稼ぎたい方にとっては非常に都合がいいです。
しかし一方で、期間限定の仕事でもあるので、「長期的な安定」という意味では、やや不利な仕事になります。
そのことは十分に理解しておいてくださいね。
次に進む道や目標がある方は問題ないのですが、次が決まっていないと「退職したらどうすればいいの?」と先々が不安で、期間工の応募に踏み切れない人もいるはずです。
ただ、安心してください。
期間工でも契約が満了したらポイ捨てではなく、きちんとその後の選択肢もいくつか用意されています。
期間工として契約が満了した人の多くは、次のいずれかの進路を選んでいます。
【契約満了後の進路】
- 同じ会社で再雇用
- 正社員雇用
- 別メーカーの期間工に勤務
- 転職
このいずれかの進路を選ぶのが一般的です。
それぞれについて詳しく説明します。
再雇用(あるいは再度応募)
実は、一度辞めた会社でも再び応募すれば、また期間工として働くことができます。
実際に、再雇用を繰り返して働き続けている人もいます。
その場合、「経験者」扱いになるため、1回目より待遇が良くなるのが大きなメリットです。
再赴任通知が届くこともある
また、自分で再度応募しなくても、一度退職した会社から「また期間工で働きませんか?」という内容のハガキが届きます。
これを「再赴任通知」といいます。
この再赴任制度を使えば、また選考会に参加する必要がないので、そのまま同じ会社に雇用してもらえいます。
ただ、この再赴任通知は、一度退職してから約10ヶ月後に届きます。
それまで待てない場合は、自分から応募しましょう。
クーリング期間とは?
期間工で働くうえで、「クーリング期間」という言葉は必ず覚えておく必要があります。
同じ会社で期間工として働きたい場合は、一度退職してから「6ヶ月以上の期間」を空けなければ再契約できません。
したがって、契約が満了して退職すると、次に応募できるのは6ヶ月後以降ということになります。
ですから、そのクーリング期間は、ほかで仕事をすることになります。
なお、同じ会社で再雇用してもらうには、3~6ヶ月ごとの契約きちんと満了することが重要です。
自己都合で途中退職すると、再雇用されにくくなるので注意しましょう。
正社員登用
あるいは、メーカーによっては期間工から正社員への道が用意されているところもあります。
より安定した生活を求める方は、正社員になることを視野に入れておくのもアリです。
ただし、期間工として働けば、誰でも正社員になれるわけではありません。
期間工から正社員になるための条件
- 真面目に勤め上げ、その実績が評価される
- 一定期間(1年程度)は務める
- 上司から推薦してもらう
- 試験をクリアする
大前提として、会社が「正社員になってもらいたい」と思えるような人材でなければいけません。
たとえば、契約が満了に近づいてくると「正社員にならないか?」と上司から誘われるケースがありますが、あれは普段の仕事ぶりが評価された結果です。
実際に期間工から正社員になる人もたくさんいます。
ですから、正社員雇用の実績が多いメーカーを選ぶのも一つの選択肢になるはずです。
正社員になりやすいおすすめメーカー
ただし、正社員の登用制度がないメーカーもあるので注意しましょう。
期間工から正社員を目指すのであれば、できるだけ積極的に採用してくれるメーカーを選ぶべきです。
詳しくは、次の記事を参考にしてくださいね。
→期間工から正社員になりやすいおすすめメーカー4選!正社員登用率と待遇を徹底比較
別メーカーで期間工を続ける
「他業種へ転職するスキルもない」という人は、満了後、別メーカーで再び期間工として働くケースも多いです。
実に多くの大手メーカー・企業が期間工を募集していますし、また、採用率も非常に高いです。
そのため、メーカーを渡り歩き、期間工を10年以上続けることも十分に可能です。
たとえば、また同じメーカーで期間工として働きたい場合は、6ヶ月以上(クーリング期間)が経ってから再び応募する必要があります。
しかし、6ヶ月も無収入になるのは避けたいところです。
そのような場合は、次のような流れで職場を変える人もいます。
- トヨタを契約満了で退職
- ホンダで期間工として6ヶ月だけ働く(クーリング期間)
- トヨタの期間工に再び応募する
このように、「クーリング期間のつなぎ」として別メーカーで働くことも可能です。
勤務先や契約期間を自分の希望である程度は選べるのが、期間工のメリットでもあります。
転職する
あるいは、期間工を転職のつなぎや、目標のための資金調達として利用する人もいます。
次に進むべき道が決まっている方は、その目標のために期間工を利用するのが一番です。
ただ、契約が満了するころになると、なかには「転職はしたいけど、どういった方向に進めばいいのか決まっていない」という方も出てくるはずです。
そのような場合でも、退職者に対して「就職支援」してくれる企業は多いです。
なので、期間工で働く前から「次はどうしよう?」といった心配をする必要はないと思います。
目標のためのステップとして期間工で働く方は大丈夫だと思います。
しかし、期間工で長期間働きたい方にとっては、その先(契約満了後)のことが心配になると思います。
ただ、相手は大手企業です。契約が終わったからといって「ハイ!ポイ捨て」ということはないので、その辺は安心して期間工に応募してほしいと思います。
何か目的があってお金を稼ぎにきている方もいますが、「とりあえず生活費を稼がなきゃ!」という思いで期間工を選ぶ方もいます。
まずは、期間工の先を考えるより、目の前の生活をしっかり立て直すことが肝心です。
その先のことは、働いてお金を貯めながらじっくり考えれば大丈夫です。
実際に私も、仕事もプライベートもズタボロだった時期がありましたが、期間工で働きながら何とか生活を立て直し、次のステップにつなげることができました。
ですから、将来が決まっていなくても悲観することはありません。
期間工でお金をしっかりと稼ぎながら、次のことをじっくりと考えていきましょう。
期間工を契約期間の途中で退職するデメリット
上記の説明のとおり、メーカーによっては3ヶ月毎に契約を更新するところもあれば、6ヶ月毎のところもあります。
ただ、いずれにしても、決められた契約期間はきちんと満了することが大切です。
もちろん都合があれば、3ヶ月の途中でも、6ヶ月の途中でも退職することは可能です。
しかし、途中退職すると、以下のようなデメリットがあります。
【途中退職のデメリット】
- 満了慰労金がもらえない
- 再契約したいときに不利
- 就職支援を受けられない
このように、中途半端な時期に退職してしまうと、ほとんどメリットはありません。
とくに満了慰労金がもらえないのは大きいです。
とはいっても、3ヶ月ないしは6ヶ月ごとに、期間工を続けるか辞めるかは自分で決められるわけです。
慰労金のためにも、せめて数ヶ月の契約期間は勤め上げるようにしたほうが良いです。
さらに、途中退職すると「自己都合による退職」と見なされ、失業保険の給付にも影響します。
途中退職は非常に大きなデメリットになってしまうため、十分に注意してください。
まとめ
今回は、期間工の契約期間をメーカーごとに紹介しました。
期間工は「期間限定の社員」というデメリットがある一方で、働く期間を数ヶ月単位で自由に選ぶことができますし、なにより短期間で高待遇を受けられるのがメリットです。
大事なのは、契約期間の途中で辞めないこと。そうすれば、期間工の恩恵を最大限受けられます。
そしてもっと肝心なのは「しっかり稼げるメーカー」で働くこと。なぜなら、メーカーによって給料は全然違うからです。
まだ応募先が決まっていない方は、ぜひ当サイトのおすすめランキングで最も稼げるメーカーをチェックしてくださいね。