期間工は有期雇用なので、契約が満了になると必ず退職することになります。
しかしながら、
- 期間工ほど稼げる仕事が他にない
- 意外と、工場の居心地が良かった
- もう一度、期間工から正社員を目指したい
- 別の仕事が見つからない
などの理由で「もう一度、期間工で働きたい」と、再雇用を考えている方もいるのではないでしょうか?
確かに、期間工ほどの収入を得るには、それなりの経歴がないと無理です。それに期間工は、休みや社会保険などもしっかりしていて安心して働ける環境なので、また出戻りしたくなりますよね。
あるいは、次の仕事を見つけようとしても、転職活動がなかなかうまくいかない方もいるかもしれません。
であれば、同じ会社に期間工として再雇用してもらい、しっかり稼ぐのが賢明です。
というのも、期間工は一度辞めても、また再雇用してもらうことが可能です。それこそ、同じ会社で2回、3回と契約を繰り返して期間工を続ける方もいますし、経験を活かして正社員を目指す方もいます。
それに再雇用されると、会社によっては給料が優遇されるので、前回よりもさらに稼ぎやすくなります。
ですから、もし前回退職してから思うように稼げていないのであれば、また期間工として働くことも一つの有効な選択肢ではないでしょうか。
ただし、同じ会社に再雇用してもらうには、大前提として、「クーリング期間」を空けなければいけません。ほかにも条件があり、また、面接のときの注意点もあります。
そこで今回は、以下のポイントを解説します。
【この記事の要点】
- 再赴任するための条件
- クーリング期間について
- 面接の注意点
- 損をしない応募方法
大事な内容なので、期間工でもう一度働きたい方は必ずチェックしておいてくださいね。
目次
同じ会社に期間工として出戻りすることは可能?
「そもそも、一度辞めた会社でまた働けるのか?」という疑問がありますが、はじめにお伝えしたように、期間工なら再雇用が可能です。
その理由は、主に次の2つです。
理由その1:現場は常に人手不足
期間工の求人を見ても分かるように、多くの大手製造メーカーは常に人を募集していますよね。
というのも、法律上、会社は「期間従業員」を最長2年11ヶ月までしか連続して雇用できないため、契約満了でどんどん人が辞めているのが現状だからです。
これが、期間工をいつも募集しているカラクリです。
理由その2:会社は経験者を必要としている
さらに「経験者」ともなれば、現場の即戦力として期待できます。まったくの未経験者を採用するより、経験者にまた働いてもらったほうが効率もいいですからね。
したがって、経験者にまた戻ってもらえることは、会社にとって喜ばしいことなんです。
そのため、会社によっては、期間工として再赴任すると次の2点で優遇されます。
【経験者のメリット】
- 日給がアップする
- 経験者手当が支給される
これが、経験者を歓迎している何よりの証拠です。
以上、
- 製造現場は常に人手不足
- 会社は経験者を必要としている
この2つの理由から、期間工を経験していることは「あなたの強み」であり、再雇用されやすいというのが理解できると思います。
期間工として再雇用される条件
ただし、経験者なら誰でも必ず再雇用されるわけではありません。
再雇用されないケース
前回働いていたときに次のことが該当する場合は、正直、再雇用は難しいかもしれません。
【再雇用されない人の特徴】
- 遅刻、欠勤が多かった
- 契約の途中で辞めた
- 1〜2ヶ月ですぐに辞めた
- 作業ミスがやたらと多かった
- 体力的に問題があった
- 会社のルールを破った
- 上司の指示に従わなかった
- 同僚とトラブルを起こした
このような問題があると、信用にも関わります。もちろん前回働いていたときの記録もきちんと残っているので、「バレないだろう」というのも通用しません。
会社としても「また働いてもらいたい」とは思わないので、応募しても採用されるのは難しいでしょう。
再雇用されやすいケース
ただ、問題なく働いていた方であれば、心配しなくても大丈夫。立派な即戦力になるはずなので、会社としてもウェルカムです!
具体的には、次の条件を満たしていれば、再雇用される可能性は高いです。
【再雇用されやすい人の特徴】
- 契約満了のタイミングで退職した
- 遅刻、早退、欠勤が少なかった
- 最低3ヶ月以上は務めた
- 問題なく作業をこなしていた
- 会社のルールを守っていた
これが再雇用してもうための条件です。
本来であれば「経験者」というだけで採用には有利なんですが、一方で、勤務態度が悪かった人にとっては、「人となりを知られている」ことは不利に働きます。
つまり、前回の「勤務態度」や「退職の仕方」が、再雇用されるかどうかを大きく左右することになります。
前回の契約で途中退職しても再入社できる?
では仮に、前回、契約の途中で会社を辞めた場合は、再雇用してもらえないのでしょうか?
「途中退職=自己都合による退職」ですから、それなりに正当な理由がないと厳しいかもしれません。
前述したように、これは信用問題に関わることで、会社側も契約をきちんと満了してくれない人にあまり良いイメージを残しません。
したがって、前回、途中退職している方は、再び応募しても不利な展開になるでしょう。
面接で納得させられるかがポイント!
ただ、面接での対応の仕方によっては、再雇用される可能性もあります。
具体的には、
- 前回、退職したときの納得できる理由がある
- 今回は長期で働きたいことを伝える
この2点をきちんと伝えて納得させれるかが、合否を左右します。
やはり、会社もきちんと働いてくれる人を雇いたいと思うのは当然のことで、どうしてもこのあたりの条件は問われることになります。
※具体的な対応策は後ほど説明します。
期間工で再雇用されるには「クーリング期間」が必要
また、再赴任する際に、「クーリング期間」も無視できないポイントです。
専門用語なので「何それ?」と思うかもしれませんね。
クーリング期間とは?
クーリング期間とは、前回退職してから再赴任するまでの「空白期間」のこと。↓
法律上、このクーリング期間を空けないと、再赴任できない決まりになっています。つまり、前回退職してからすぐに応募しても、採用してもらえないんですね。
問題なのは、「クーリング期間がどのくらい必要か」という点です。
クーリング期間は「前回働いた期間」に応じて決まります。計算方法は、次のとおり。
【クーリング期間の計算方法】
「前回の就労期間」÷2=クーリング期間
※小数点以下は繰り上げ
〈例〉前回6ヶ月働いた場合
6ヶ月÷2=3ヶ月(←クーリング期間)
では、この式を使い、クーリング期間がどれだけ必要か具体的に見てみましょう。
前回の契約で1年以上働いた場合、再雇用されるには「6ヶ月のクーリング期間」が必要
前回、働いた期間に応じて、クーリング期間は次のように変わります。
【クーリング期間】
働いた期間 (前回の契約期間) |
クーリング期間 |
3ヶ月 | 2ヶ月 |
6ヶ月 | 3ヶ月 |
1年以上 | 6ヶ月 クーリング期間の上限 |
たとえば前回、期間工で6ヶ月働いた場合は、退職してから少なくとも3ヶ月を空けないと再入社することはできません。↓
一方、前回1年以上働いた場合は、クーリング期間は一律「6ヶ月」となります。↓
したがって、辞めてから最低6ヶ月が経たないと、再雇用はしてもらえません。
少しややこしいルールですが、このクーリング期間のことを知らずにすぐ応募してしまうと、あっけなく不採用になってしまうので注意してくださいね。
−再雇用される条件まとめ−
まとめると、期間工として再雇用してもらうには、次の3つの条件が重要になります。
再雇用される3つの条件
- 契約満了で退職していること
- 勤務態度に問題がないこと
- クーリング期間が経過していること
なお、「契約満了」というのは、決して2年11ヶ月のフル満了のことを言っているのではありません。
3ヶ月退職でも、6ヶ月退職でも、12ヶ月退職でも、契約の切れ目に辞めていれば、すべて「満了退職」として見なされます。
この点は間違えないでくださいね。
再雇用されるには面接での志望動機が肝!
ここまで、期間工で再雇用される条件について解説してきました。
再雇用されにくい条件をあらためて確認しておきましょう。
【再応募で不採用になるケース】
- 以前、働いていたときの勤務態度が悪かった
- 遅刻、欠勤が多かった
- 契約の途中で退職した
- まっとうな理由もなく早期退職した
このようなことが該当する方は、再雇用されない可能性も考えられます。
ただ、条件を完璧に満たしていなくても、「経験者」というだけで有利なのは間違いありません。何も諦める必要はないので、まずは応募してみることが肝心です。
なおその際、面接で次のような内容を質問される可能性が高いです。
【再応募の面接で良くある質問】
- 前回退職したときの理由
- 現職を辞めた、もしくは辞めたい理由
- 再赴任したい理由
採用を確実にモノにするには、この3つの質問に対して「納得できる回答」をきちんと考えておくことが重要になります。
では、具体的な回答例を紹介しますね。
1.前回退職した理由
前回退職した理由は、以下の例文を参考にしてください。
- 契約が満了(もしくは打ち切り)になった
- 別の仕事が見つかった
- 他の仕事の都合で、もともとその時期に辞める予定だった
- 期間工で稼いだお金でやりたいことがあった
前回、満了退職した方は、正々堂々とその旨を伝えましょう。
それ以外の理由で退職したとしても、上記のような内容で答えればネガティブな印象になりにくいです。
しかし、単純に「仕事がイヤになって辞めた」という理由はNG。「じゃあ、なんで戻ってきたいの?」という話になりますからね。
前回辞めたという事実は変えられませんが、あくまでも前向きで、納得できるような退職理由を考えておきましょう。
2.現職を辞めた、もしくは辞めたい理由
3.再赴任したい理由
再応募するということは、それまでのクーリング期間に何かしらの仕事をしているはずです。あるいは、転職活動の最中かもしれません。
それを経て、なぜまた期間工に再赴任したいのか、その理由も問われるでしょう。
その際、以下のように、「現職を辞めた理由」と「また期間工で働きたい理由」がつながるような志望動機がベストです。
- 仕事が変わって給料が下がってしまい、生活が厳しくなったので、また期間工でしっかり稼ぎたいと思った
- 他の仕事を経験して、自分には期間工の仕事が向いていると気づいた
- 新たな目標ができたので、そのために期間工の環境を活かしてしっかりお金を貯めたいと思った
- 将来的に生活を安定させるために、もう一度、期間工で働きながら正社員を目指したい
ただ単に「給料が良かったから」と自分の思いをストレートに表現しても悪印象ですし、面接官も納得しません。
退職した理由・再応募した理由がポジティブに伝わるよう、上記の例文を参考にして、あなたなりの志望動機を考えてみてくださいね。
再応募の面接のポイント!
ポイントは、「今回はできるだけ長期で働きたい」もしくは「将来的に正社員を目指したい」という想いを織り交ぜながら志望動機を伝えることです。
そうすれば、面接官は「この人はきちんと働いてくれそうだな」といった印象を持つでしょう。
「再赴任のお誘い」というハガキが届いたら面接は不要
ただ、なかにはクーリング期間が終わるころに「再赴任を勧誘するハガキ」が会社から送られてくるケースがあります。
このハガキは前回の勤務態度が評価された方が対象で、「もう一度、期間工で働いてみませんか?」と再赴任を誘う内容になっています。
もしこのハガキが届いた場合は、再赴任するときの面接は不要です。つまり、面接ナシで、いきなり再入社することができます。
会社のほうから誘っているのですから、面接が必要ないのは当然と言えるかもしれませんね。
とにかく、このハガキは「再赴任のチケット」のようなものなので、受け取った場合はその特権を使って入社するのが無難です。
※ハガキが届かない場合は、前述のとおり、再応募して面接を受けることになります。
再応募で入社祝い金をもらい損ねない方法とは?
ここまでの説明を踏まえ、再赴任するまでの流れを確認しておきましょう。
【再赴任までの流れ】
- 期間工を退職(1回目の契約)
- クーリング期間を空ける
- 再び応募する(勧誘ハガキが届かない場合)
- 面接を受ける
- 再入社
したがって、期間工として同じ会社でまた働くには、もう一度、応募することになります。
【重要】再応募で注意すべきこと!
その際、一つ大事なポイントがあります。
それは、応募の仕方によって入社祝い金がもらえるか、もらえないかが変わってしまう点です。
応募方法には、次の3つがあります。
②メーカー公式の求人サイトから直接応募する
③勧誘ハガキを使い面接を受けずに入社する(対象者のみ)
結論から言うと、
①→祝い金GET!(もらえる)
②③→祝い金LOSE・・・(もらえない)
です。
②③の方法だと、会社に直接応募することになるので、派遣会社の特典(つまり入社祝い金)は対象外になってしまうからです。
したがって、入社祝い金をもらい損ねないためには、「①派遣会社の求人サイト」から応募する必要があります。
これだけで、手当に数十万円の差が生じることもあるので要注意です。
オススメの求人サイト!
なお、求人サイトですが、最大手のアウトソーシングが運営する「期間工.jp」をおすすめします。
扱っている期間工の求人数が多いというのもありますが、なにより「入社祝い金が高い」のが最大のメリットです。
手順はこちら。↓
- 期間工.jpの公式サイトを開く
- 一覧からあなたが以前勤めていた会社の求人を探す
- フォームからWEB応募を完了させる
以上、この3ステップだけです。
そうすれば、アウトソーシングから高額な入社祝い金がもらえますし、内定サポートもあるので、再雇用される可能性もグッと高まります。
ですから、同じ会社でまた働きたいときは、期間工.jpから応募することをおすすめします。
前回、期間工.jpを利用した方はこちら
ただし前回、期間工.jpから応募した方にかぎり、今回は別の派遣会社の求人サイトから応募するようにしてください。
というのも、同じ会社に同じ派遣会社から連続して応募すると、入社祝い金がもらえない可能性があるからです。
ですから、その場合は、応募するときの求人サイト(派遣会社)を切り替えることをオススメします。そうすれば、入社祝い金をもらい損ねることはなくなります。
なお、その際は、最大手の派遣会社である日総工産が運営している求人サイト「工場求人ナビ 期間工セレクト」を利用しましょう。
期間工.jpほどではありませんが、求人数も豊富ですし、入社祝い金も結構高いからです。
再応募するときは、損をしないためにも「求人サイトを切り替える」と覚えておいてください。
【補足】再雇用された場合、職場は前回と一緒?
ところで話は変わりますが、再雇用された場合は、前回と同じ職場へ配属されるのか気になりますよね。
当然、「経験者=即戦力」として会社も期待しますから、そう考えると、前回と同じ部署になる可能性は十分にあります。
もし、前回のあなたの勤務態度がその部署の上司に評価されており、人間関係も良好であれば、その可能性はより濃厚です。
ただし、生産状況や人員の配置など、前回働いていたときと状況が変わっていれば、まったく別の部署になるケースもあります。
正直、どの部署で働くことになるかは、状況と運次第です!
とはいえ、あなたはもうすでに工場仕事の経験があるので、どの部署に配属されても慣れるのは時間の問題。
「どこの部署になるかなぁ・・・」と心配するのはムダに気疲れするだけなので、あまり考えすぎないようにしてくださいね。
まとめ
今回は、期間工として再雇用される条件や、再赴任するときのポイントを解説しました。
再雇用されすい条件をもう一度確認します。
- 前回の契約時に満了退職していること
- 前回の勤務態度に問題がないこと
- クーリング期間が経過していること
この3つの条件さえクリアしていれば、会社も積極的に再雇用してくれるでしょう。
多少、不安要素があっても、面接で「また期間工として働きたい理由」をきちんと伝えることができれば、ほぼほぼ問題ないと思います。
最後に、再応募するときは「前回とは違う求人サイト」を利用するようにしてくださいね。これが、入社祝い金をもらい損ねないためのコツです。