「期間工はどんな仕事内容?」
「期間工は続かないほどきついってホント?」
「やっぱり工場仕事ってつまらないんでしょ?」
期間工未経験者にとって工場仕事はまさに未知の領域。どんな仕事なのか考えれば考えるほど不安になりますよね。
でも、やってみれば分かりますが、案外ふつうの仕事です。
確かに、同じ作業の一日繰り返すので楽ではありませんが、慣れれば誰でもできます。
ただ、コンビニやカフェ店員とはワケが違うので、仕事が合わなくて続かないケースもあります。
そこで今回は、期間従業員がどのような仕事をするのか、その作業内容を詳しく解説します。
工場仕事をやったことがない方は、仕事内容をよく理解してから求人に応募してくださいね。
自動車工場・部品工場の主な作業工程
自動車は何万という部品のかたまり。そのため、自動車を完成させるためには無数の工程があります。
期間従業員は、そのごくごく一部の作業を担当することになります。
とはいっても具体的にイメージできないと思うので、自動車工場や部品工場での主な作業工程を紹介します。
プレス
主にボディの枠組みをつくる工程で、鉄板を切って型押しする作業はほとんど機械が行います。
プレス後の検査、表面の仕上げ、バリ取り、機械操作などは人が作業します。
溶接
車の骨格となるフレームなどを溶接していく工程です。ただ、画像のように、ほとんどの作業は機械化されています。↑
機械ではできない細かな溶接は人が行うケースもあります。↑
しかし、作業割合的には多くありません。ですから、溶接工程に配属される場合は、実際に溶接作業をするというよりも、機械操作や検査がメインになります。
塗装
ご覧のとおり、今や塗装工程もほとんど機械化されています。ボディが順に流れてきて、機械が繰り返し塗装していきます。
ただ、機械では届かない細かなところの塗装や、最終チェックなどは人が行います。
成形
工場によっては部品そのものをつくる工程もあります。部品の数はかなり多いので、やはり機械化されている工程がほとんどです。
ただ、機械操作や部品を機械にセットする作業などは人が行うケースが多いです。
組立
ひと言で「組立」といっても、その仕事はさまざまです。車体にハンドルやエンジン、ドアなどを組み付けていく工程もあれば、エンジン自体を組み立てていく作業もあります。
検査
検査とは、いわゆる「最終チェック」のことです。作業負担が軽い分、責任は重いですが、期間工でも関係なく任される仕事です。
ひと言に検査といっても、「部品一つひとつの検査」から「完成車の検査」「ボディ傷などの検査」「ドアの開閉検査」など、さまざまなタイプの仕事があります。
あたらめて主な作業工程を紹介します。
- プレス
- 溶接
- 塗装
- 成形
- 組立
- 検査
自動車メーカーあるいは部品メーカーで期間工として働く場合、これらの工程のいずれかに配属されます。
または、「部品運搬・供給」の工程もあります。この工程はフォークリフトを使う場合もあるので、資格を持っている人は優先的に配属されることがあります。
ただ残念ながら、配属先は選べません。
一つの工程を取っても、担当する作業はさらに細分化されるため、正直、どんな仕事をするかは入社してみないと分からないんです。
実際、私が期間工で働いたとき、はじめて配属されたのは「超カンタンな部品の組立」でした。部品をセットして、スイッチをポチッとするだけの工程です。
一方、インパネ周辺の組み付けなど、作業空間が狭く、なおかつ細かな仕事をする工程もあります。↓
つまり、配属される部署や工程によって仕事内容はまったく変わります。
ただ、ほとんどが単純作業で、慣れれば誰でもできるような仕事なので安心してください。
それに、作業に慣れるまでは先輩や上司がサポートしてくれるので、「自分が何とかしなきゃ!」と焦ることもありません。
2週間〜1ヶ月も経つと、気づけば慣れているはずです。
自動車メーカーの期間工はどんな仕事?
自動車工場の主な仕事は次の3つです。
- ボディの成形
- エンジンの製造
- 車両全体の組立
簡単に言うと、それぞれの部品を寄せ集め、自動車本体を組み上げていくようなイメージ。
実際の作業風景はこんな感じ↓
ただ、自動車メーカーによって作業工程は若干異なるので、ここからは会社別に仕事内容を見ていきましょう。
トヨタの仕事内容
工程 | 仕事内容 |
プレス | 銅板を機械で裁断し、プレス機で加工する工程 |
ボディー溶接 | 自動溶接と手作業とでボディ組み付けていく工程 |
塗装 | ロボットによる塗装、その検査 |
エンジンの製造 | エンジン部品の製造、エンジン自体の組立 |
組立・組み付け | 各部品を車体に組み付けていく作業(トリムとも言う) |
最終検査 | 完成車に不備がないかチェックする工程 |
「トヨタ」車の部品は、ほとんどが他メーカーが作ります。たとえば、アイシンAWがミッションを、トヨタ紡織がドアとシートを製造します。
自動車メーカーはどこもそうですが、基本的には「車両の組立」がメインになります。したがって、扱う部品やパーツのサイズは必然的に大きくなります。
ただ、決して重たいモノを持つわけではありません。↓
重たいモノの組み付けほぼ機械化されているため、実質、やることは「機械操作」や「細かな作業」です。
いずれの工程も一連の作業を繰り返すため、2週間〜1ヶ月もすれば体が勝手に動くようになりますよ。
スバルの仕事内容
工程 | 仕事内容 |
プレス | 銅板を機械で裁断し、プレス機で加工する工程 |
ボディの組立・塗装 | 自動溶接と手作業とでボディ組み付けていく工程 ロボットによる塗装、その検査 |
エンジンの製造 | エンジン部品の製造、エンジン自体の組立 |
トランスミッションの製造 | ミッション部品の製造、ミッション自体の組立 |
前述のとおり、自動車メーカーの仕事内容ははどこも似たようなもの。
そのため、「あそこの会社はキツくて、こっちの会社は楽」といった作業負担の差はほとんど気にしなくても良いです。
ただ、スバルはトランスミッションも自社製造しているため、トヨタよりは小さな部品を扱う工程も多くなります。
ホンダの仕事内容
工程 | 仕事内容 |
プレス | 鉄板を金型でプレスしてボディを成形(機械操作が基本) |
溶接 | 車体型の鉄板を溶接して組み立てる工程(機械溶接、手作業) 表面の凸凹を削る 完成品は目視でチェック |
塗装 | 溶接後、完成した車体に色を塗る工程(大半はロボットが自動で行うが、手作業の箇所もある) 完成品は目視でチェック |
組立 | 空のボデーに電線ケーブル、内装、足回り、エンジンなどを組付けて製品として完成させる工程 |
「ホンダ」も他の自動車メーカーと同様、ボディの成形、組立がメインになります。
大きなパーツを扱うときは機械が自動で行うことが多いですが、細かなところの作業や最終チェックは人が行います。
マツダの仕事内容
工程 | 仕事内容 |
鋳造 | 金属を熱でとかし鋳型(いがた)に流し込んでパーツ・部品をつくる工程 |
プレス | 鉄板を金型でプレスしてボディを成形(機械操作が基本) |
エンジンの組立 | 細分化されたエンジンの製造工程をライン作業で行う |
車体の組立 | 機械溶接、手作業でフレームやボディを組み付けていく工程 |
車両の組立 | 各部品・パーツを車体に組み付けていく作業 |
塗装 | 車体に色を塗る工程(大半はロボットが自動で行うが、手作業の箇所もある) |
「マツダ」も他の自動車メーカーと同じように、エンジンの製造からボディ系の成形、組立がメインになります。
工程のなかには「肉体労働」寄りの仕事もありますが、ほとんどが軽作業の繰り返しです。
正直、どこの工程に配属されるかは運次第なところがあります。
日産の仕事内容
工程 | 仕事内容 |
加工 | 屋根や床、サイド部分などのパネル製造 |
組立 | プレス加工されたパネルを溶接ロボットでつなぎ合わせる工程 |
塗装 | ボディの洗浄 電着塗料の入ったブールに浸す(サビ防止) ロボットが下塗り、上塗りを入念に繰り返す |
部品供給 | 各ラインへの部品供給 部品を載せた貨車を何両も連結させ、電動車で運ぶ |
「日産」の場合、勤務地によって仕事内容が異なることがありますが、基本的な工程は他メーカーと一緒です。
豊田自動織機の仕事内容
- 自動車(RAV4)
- フォークリフト
- コンプレッサー
- エンジン
- エアジェット織機
の製造。
「豊田自動織機」では車以外にさまざまな部品や機器もつくっています。
作業幅が広くなると思うかもしれませんが、1人が受け持つ仕事はそのうちのごく一部です。したがって、一連の作業を繰り返すというのは他社と変わりません。
小松製作所の仕事内容
- ショベルカー
- ダンプカー
- ブルドーザー
「小松製作所」はおもに建設車両をつくります。一般的な車よりも重量があり、サイズも大きいため、作業負担がやや大きくなると思います。
仕事内容は、次のとおりです。
- ボディ、フレームの加工・組立
- 部品の運搬(フォークリフト)
- 部品のピッキング
- 建設機械の塗装補助
- 建設機械部品の厚板、半自動溶接
ただ、人が過度に重たいモノを持つことはないので、機械操作や細かな作業がメインになります。
日野自動車の仕事内容
「日野自動車」というと、あまりイメージがないかもしれませんが、トラックやバスを製造しているメーカーです。
- トラック、バスの製造
- トラック、バス関連部品の製造
トラックやバスはとにかくデカいですが、その関連部品もつくっているため、意外と軽作業も多いです。
自動車メーカー同士で技術やノウハウを研究し合ったり、共有したりする部分も多いため、作業工程も必然的に似たようなものになります。
仕事内容はメーカーによる違いよりも、どちらかと言えば、工程(配属先)による違いのほうが大きいです。
たとえば、
- ネジやナットを締める工程
- 大きな鉄板を扱う工程
- 完成車のボディをチェックする工程
など、配属先によって仕事内容は全然違います。
仕事内容は選べないが心配無用!
その人の年齢や性別、体格、または人員の空き状況などによって配属先が決まるため、仕事内容は選べません。
でも「こりゃキツい!無理だわ・・」といった仕事はほとんどないので安心してくださいね。なぜなら、そんな大変な仕事であれば、誰も続かないからです。
なので、期間工は「慣れれば誰でもやれる仕事」と思っておけば大丈夫です。
部品メーカーの期間工はどんな仕事?
上記のような自動車本体をつくるメーカーもあれば、主要パーツ(たとえば、ミッションやベアリング、ドアやシート、タイヤなど)をつくる自動車部品メーカーもあります。
部品メーカーは扱うものが小さいため、ほとんど軽作業がメインになります。
そのため、どちらかと言えば、「部品系メーカー」のほうが「自動車メーカー」よりも楽です。
このことを念頭に置きつつ、部品メーカーごとに仕事内容をチェックしてきましょう。
アイシンAWの仕事内容
「アイシンAW」はオートマチックトランスミッションやカーナビを製造するメーカーです。
工程 | 仕事内容 |
機械加工 | 専用の鉄を削る機械に部品をセットする 削り終わった部品を次の機械にセットする 定期的に完成品の寸法チェックする |
組み付け | 部品を組み合わせATの形を作る作業(自身にて電動ドライバー等で 行う工程、機械にセットし自動で行われる工程がある) |
運搬、その他 | フォークリフト、エレカ(搬送用の電気自動車)で部品を運搬したり、完成品の回収する工程 クレーンなどを使った運搬工程もある(要資格) |
基本的な業務は「部品の加工」「組み付け」「運搬」だけです。
私も以前、アイシンAWの期間工で働いたことがあります。一つの作業はものすごく楽で、4〜6工程をひたすらグルグル繰り返す感じです。
トヨタ紡織の仕事内容
「トヨタ紡織」の仕事内容は、トヨタ車のドアやシート製造がメインになります。↓
(出典:https://www.toyota-boshoku.com/jp/)
また、ドアやシートの関連部品やフィルターも製造しています。
いずれも軽作業ばかりなので、決して体力自慢の人でなくても全然やっていける仕事です。そのため、アイシンAWと同様、女性にも非常に人気の高いメーカーです。
NTNの仕事内容
「NTN」ってあまり聞いたことがないと思いますが、自動車やエアコン、ハードディスクなどに使われる「ベアリング」を製造するメーカーです。
ベアリングはこれ。↓
このベアリングを専門でつくるメーカーなので、仕事も軽作業ばかりです。そのため、楽である一方、単純作業の繰り返しで「つまらない」と感じることもあるでしょう。
人によって向き不向きがありそうですね。
ブリヂストンの仕事内容
「ブリヂストン」は聞いたことがあるかと思いますが、代表的なタイヤメーカーです。
自動車用の「スチールラジアルタイヤ↑」を製造します。
原材料や部品の加工、組立、検査などの仕事がありますが、ほとんどが機械作業です。そのため、やることはマシンのオペレーター業務がメインになります。
注意したいのは、「ゴムのにおい」です。
普段は感じませんが、工場ではゴム独特のにおいが立ちこめるため、嫌いな人にはかなりキツいと思います。
また、タイヤの運搬作業もあるため、多少の力仕事は覚悟しておきましょう。
キャノンの仕事内容
「キャノン」では半導体・液晶装置を製造しています。
工程 | 仕事内容 |
部品加工 | 装置オペレーター 部品加工、段取り、評価、検査 作業標準作成、工程改善、新規加工方法検討 |
組立 | 露光装置ユニットまたは本体の組立 調整、検査、ピッキング 部品運搬 作業標準作成、工程改善、新製品組立方法検討 |
半導体がからむ仕事なので、なかには非常に細かな作業もあります。また、大きな機械のオペレーターをやることもあります。
自動車のような大まかな組立とは違い、「手先の器用さ」が求められる仕事でもあります。
コマツキャステックスの仕事内容
「コマツキャステックス」はブルドーザーやショベルカーなど、建設車両に使う素材をつくるメーカーです。
これらの車両に使うパーツの鋳造(ちゅうぞう)、加工作業を行います。
鋳造(ちゅうぞう)とは・・・
鋳造とは、「金属を溶かして型に流し込んで部品を制作する工程」のことです。
(※イメージはこんな感じ↓)
「小松製作所」はブルドーザーなどを組み立てる仕事なのに対して、「コマツキャステックス」はその素材(パーツ)を作る会社です。
扱うモノ自体はかなり大きくなりますが、一応、部品メーカーです。
基本、部品系メーカーは「軽作業」がメインなので、強いて言えば、自動車メーカーよりは楽かもしれません。
ただ、部品メーカーでも「細かい系」「肉体労働系」などの工程もあるため、少なからず向き不向きは出てくると思います。
「単純作業の繰り返し」というのはどの会社も同じですが、メーカーごとの仕事内容の特徴はここでしっかり押さえておいてくださいね。
期間工の仕事は続かないほど大変?
期間工の経験があれば、不安を感じることはほとんどないと思います。なぜなら、「慣れれば誰でもできる仕事」だということを体感しているからです。
しかし、未経験の方は、
と連想してしまうのも無理はありません。
〜期間工の仕事はすぐ慣れる〜
でも、期間工は言うほどキツくないです。要は、慣れの問題。
もちろん慣れないうちは大変かもしれませんが、2週間〜1ヶ月もすれば「稼げる充実感」のほうが確実に上回っています。
それに、世の中にはいろいろな仕事がありますよね。
- 営業マン
- コンビニ定員
- サービス業
- テレフォンオペレーター
- 引っ越しスタッフ
- 食品工場の作業員
- 工事現場の仕事
私の経験からも言えますが、期間工よりもキツい仕事はたくさんあります。それに、楽な仕事でも「キツい」と思う人はいます。
ネット上では期間工の悪い評判も見かけますが、あれは仕事自体がキツいというより、他に要因があります。
たとえば、
- 寮生活がきつい
- 夜勤がきつい
- 人間関係がきつい
- 工場という環境がきつい
- 単純作業がきつい
などです。
私も過去、職を転々としてきた経験があるので分かりますが、仕事の合う合わないはどうしてもあります。
ですから、工場仕事が合わない方には、もちろん期間工はオススメできません。
でも慣れれば問題ないことが多いので、仕事内容のことはあまり心配せず、「稼ぐ!!」ことに気持ちをフォーカスすることが肝心です。
期間工は慣れれば誰でもできる
それに事実、期間工に応募する人の60%近くは未経験者です。
「未経験者歓迎」と書いておきながら実はめちゃくちゃキツい仕事だったら、すぐに辞めてしまう人が続出してしまいますよね。しかし、それではメーカーも大赤字です。
だから未経験でも心配いりません。
もし工場の仕事があなたに合わなければ、入社祝い金とボーナスをもらってサクッと辞めればいいだけの話。
ある意味、短期で辞められるのも期間工のメリットと言えます。
それに、未経験で年収450万円も稼げる仕事はそうありません。
年収450万円を稼ぐには、同じ職場で5〜10年くらいのキャリアを積むのが普通です。
でも、期間工なら1年目でその金額をいきなり突破できます!
だから、期間工の仕事は稼ぎたい方に人気なんですね。
期間工の仕事内容はつまらない。けど稼ぐために頑張る!
〜まとめ〜
今回は、期間工の仕事内容をメーカーごとの紹介してきました。
正直、期間工の仕事を「つまらない」と感じるかもしれません。
カワイイ女子とおしゃべりしながら仕事をするような世界ではないので、甘い期待は持たないほうが良いです。
でも、未経験でも始められる仕事のなかでは、期間工は最も稼げる部類に入ります。
ですから、「稼ぎたいけど、大した経験もない」という方には期間工を本気でおすすめします。
実際、私も期間工で働けたおかげで人生救われたので。。
工場仕事なので、それなりに気持ちを割り切ることは必要ですが、メーカーごとによる仕事内容の違いはあまり気にしすぎないようにしてくださいね。
それよりも、やっぱり稼げるかどうかが大事。
はじめは大変かもしれませんが、しっかり稼げれば疲れも吹っ飛びますよ!
というわけで、「稼げる会社」はこちらからチェックしましょう。