「期間工って底辺の仕事なの?」
「職場が地獄ってホント?」
「ストレスたまるんでしょ・・・」
「辞めたあとの末路は?」
このように、期間工で働きたいという期待を抱きつつも、仕事に対して漠然とした不安を感じている方もいるはずです。
果たして、期間工の現実とは・・・。
期間工と言えば、
- 高収入
- 大手メーカーの直接雇用
- 社会保険完備
- 未経験OK
- 寮費&水道光熱費無料
といったメリットがあります。
そのため、安定した環境でガッツリ稼げて、お金も貯まります。
しかし、決して楽な仕事ではありません。はじめは体も疲れますし、夜勤があるので眠たいこともしばしば。ですから、仕事に慣れるまでは大変に感じることもあります。
つまり、期間工で働くメリットもあれば、デメリットもあるのが実情です。
そこで今回は、
- 期間工は地獄
- 期間工は勝ち組
この2つの側面から、期間工がどういう仕事なのかを包み隠さずお伝えします。
期間工の良い点・悪い点をしっかり見極めたうえで、応募を検討してみてくださいね。
目次
期間工の立場を再確認
はじめに、期間工がどういう雇用形態なのか、あらためて確認しておきましょう。
期間工を募集している企業はたくさんありますが、ほとんどは製造メーカーです。
たとえば、トヨタ、マツダなどの自動車メーカーもあれば、アイシンAWやブリヂストン、キャノンなど、さまざまな部品をつくるメーカーもあります。
※期間工を募集しているメーカーの一部です。
したがって大前提として、期間工は「工場仕事」になります。
◆最大のメリット
期間工は「メーカー直接雇用の契約社員」という立場になるため、大手メーカーの高待遇を受けられるのが最大のメリットです。
年齢不問、未経験1年目からでも年収400〜500万円は稼げます。
◆最大のデメリット
しかし、一度の契約期間が「最長2年11ヶ月」までしか延長できないため、期間工から正社員にならないかぎり、いずれ退職することは避けられません。
つまり、カンタンに言うと、期間工は「期限付きの社員」になるんですね。
会社としては「景気に合わせて都合よく雇用できる」という意図がありますが、働く側からすると、長期的な雇用が望めないのはリスクになります。
これが、期間従業員(期間工)という立場のメリットとデメリットです。
期間工が地獄・底辺と言われる現実とは?
期間工が稼げるのは事実ですが、その反面、「稼げる=きつい」という考えからネガティブなイメージを持ってしまう情報も見かけます。
- 地獄
- 底辺
- きつい
- 辛い
- やめとけ
このような情報を見ると、せっかく稼ぎたいと思っても、応募をためらってしまいますよね。
果たして、これらの情報は真実なのでしょうか。
答えは、半々。
つまり、半分はホントですが、半分はウソの情報になります。
というのも、実際に期間工で働いたことのない人が “あーだこーだ ” と書いている情報もたくさんあるからです。
もちろん経験者の言葉なら信用できますが、個人の主観が入るので、そのまま鵜呑みにしないようにしてくださいね。
でも、やはり期間工には「ネガティブな側面」があるのも事実。
というわけで、ここでは私の経験も踏まえ、期間工に対するネガティブ側の意見を紹介します。
単純作業の繰り返しでつまらない
基本的に、期間工はライン作業です。一定の仕事を1.5〜2時間ほどくりかえし、休憩して、また作業を続ける。
工程によって作業内容は違いますが、慣れれば、そこまで難しい仕事ではありません。
ただ、それが結果的に「つまらない」と感じることもあります。とても単調な仕事なので、当然ですが、毎瞬毎瞬ワクワクできるような仕事ではないんですね。
「仕事はみんなで楽しくやりたい!」という人にとってはキツい仕事ですが、そのような女子高生みたいなノリの人も少ないでしょうから、この点はあまり問題にはなりません。
体力的にきつい
製造現場では、大きな部品を扱う作業もあれば、細かな手作業もあります。方や、完全に機械操作だけの工程もあります。
配属される部署によって仕事内容はまったく違うんですね。
そのため、工程あるいは人によって「きつい」と感じることもあります。慣れてしまえばどうってことないんですが、はじめのうちはそれなりに大変です。
とはいえ仕事ですから、大変なのは当たり前のこと。それに「大変」「きつい」というのも、ごくごく一般的なレベルなので、過剰に心配することはありません。
もし、そこまでキツい仕事なら、世の中の製造現場を誰が支えているのでしょうか。
そうです、決して楽とは言いませんが、あくまで大変なのは慣れるまでの話。実際、現場で働いているのはホントに普通の方ばかりなので、もちろん、あなたでも問題なく働けるはずです。
→期間工は本当にきつい?工場仕事がきつい理由とオススメの対処法
夜勤が辛い
ほとんどの製造メーカーでは、昼・夜の交替勤務になります。(たとえば、昼勤で1週間働き、次の週は夜勤というシフト)
慣れないうちは、この「夜勤」が結構しんどいです。
というのも、やはり生活リズムが乱れるので、はじめは妙なタイミングで元気が湧いてきたり、反対に、仕事中に眠気が襲ってきたりすることもあります。
これも慣れの問題ですが、それまでは睡眠時間を長めにとったり、休憩中に仮眠したりして、生活リズムを切り替えていく必要があります。
コミュニケーションが少ないからストレスがたまる
ライン作業では、一人一人が担当する工程が決まっています。そのため、共同で作業することはほとんどありません。
つまり、自分の仕事をひたすら黙々とこなすイメージです。
ということは、仕事中にコミュニケーションを取ることもありません。人によっては、それがストレスに感じることもあるでしょう。
私は黙々と作業するのが好きだったので問題ありませんでしたが、「会話をしながら楽しく仕事がしたい」という方には不向きです。
末路がやばい
前述のとおり、期間工は「契約社員」であり、その契約には期限(最長2年11ヶ月)があります。
つまり、正社員にキャリアアップしないかぎり、この先、何十年もその会社で働き続けることはできません。
したがって、期間工は辞めたあと、次の選択が迫られます。
【退職後の選択肢】
- 別の仕事に転職する
- 他メーカーの期間工として働く
- 一定期間を空け、同じ会社に再赴任する
- 起業する
ずっと継続しながら期間工で働けるわけではないので、正直なところ、長期的な安定を望めるような仕事ではないんですね。
- 一定期間でまとまったお金を稼ぐ
- 期間工から正社員を目指す
このどちらかの目的がある方は、期間工という立場を大いに活用するべきです。
もちろん「身銭を稼ぐために、とりあえず期間工で働く」というのもアリですが、その間、次をどうするかしっかり考えることが重要になります。
下手に「将来は安泰」という期待は持たないようにしてくださいね。
寮がボロい
ほとんどのメーカーでは社員寮が用意されており、期間工はそこを無料で使えます。水道・光熱費もタダになっているメーカーも結構多いです。
なので、お金を貯めたい方にとっては、これほど好都合な環境はありません。
しかしながら、社員寮のなかには古いところもあります。いわゆる「ハズレの寮」です。無料なので贅沢は言えませんが、あまり華やかな生活は期待しないほうが良いです。
ただ逆に、「単身アパート暮らし」レベルのきれいな部屋が与えられるケースもあります。
寮は選べないので、「運次第」と割り切ることが大事です。
工場に華やかさは皆無
工場仕事がどういうものか、イメージできない方もいるのではないでしょうか。
一昔前なら、いわゆる「町工場」で油まみれになりながら働くのを想像したかもしれませんが、最近の工場はキレイなもんです。
というのも、今どきの工場はかなり機械化が進んでいるので、人が手を汚すような作業は多くないんですね。それに精密機械も扱うため、現場がキレイでないといけません。
なので、思いのほか「汚い」とはかけ離れた環境で働けます。
ただ、あくまでも工場ですから、決して華やかな現場ではありません。鉄、コンクリートに囲まれているので、人によっては閉塞的に感じるかもしれません。
当然ながら、「オシャレなカフェなんかで、オシャレな仲間と仕事がしたい」という方にとってはキツい環境になるでしょう。
これが、現実といえば現実です。
下手に「楽して稼ごう!」なんて甘い期待を抱くと、工場仕事の雰囲気や大変さにつぶされると思います。
しかし、工場とはどういう仕事か、それなりに理解したり想像しておけば、ほとんど問題にならないことばかりです。
あまり心配しすぎることはありませんが、とにかく「稼ぐため」と割り切ることが一番大事になってきます。
期間工は地獄じゃなくて勝ち組?
ここまでは、期間工という仕事をネガティブな側面から見てきました。もしかすると、期間工に対するイメージが悪くなってしまったかもしれませんね。
ところが実際は、期間工という仕事を選び、そこでしっかりと稼いでいる方々もたくさんいるわけです。
上記のようなデメリットにフォーカスすると、気持ちも萎えてしまいます。方や、メリットをきちんと分かっていれば、なぜ期間工という仕事が選ばれているのか納得もできるはずです。
というわけで、ここからは期間工をポジティブな側面から見ていきましょう。
職歴&学歴不問(年齢も!)
一般的な企業で社員として働こうと思うと、当然ながら、それまでの経歴が問われます。まったくの未経験者を採用しても、即戦力にならないですからね。
そのため、いままで学歴やキャリアを気にしてこなかった方が普通の企業でいきなり社員になるのは、ハッキリ言ってハードルが高いです。
しかし、期間工は違います。
期間工では職歴や学歴、年齢は問われません。もちろん資格も必要ありません。
働く意思があり、健康上の問題がなければ、採用基準はほぼほぼクリアできます。
普通なら自分の経歴をもとに次の仕事を選びますが、期間工はそういう必要がまったくないんですね。
つまり、キャリアに関係なく、いきなり大手メーカーで社員として働けるのが、期間工のスゴいところです。
採用率が高い
前項とも関係しますが、期間工は採用率が圧倒的に高いのでも有名です。メーカーによって差はありますが、採用率は70〜90%にもなります。
というのも、言い方は悪いですが、ライン作業は慣れれば誰でもやれる仕事だからです。
ですから、転職がうまくいかない方にとっても、期間工は「救いの場」になるでしょう。
実際、私も転職で失敗による失敗を重ね、そのとき最終的にたどり着いたのが「期間工」でした。
内定を確実に決める!しかしながら、なかには不採用になってしまうケースがあるのも事実です。
そこでカギとなるのが「応募方法」です。
実は、期間工を専門とする派遣会社を通じて応募すると、あなたが内定を勝ち取るために、さまざまなサポートを受けられます。しかも無料で!
なので、内定をより確実のものにするには、応募方法に注意してください。
ニートでも社会保険完備の大手企業で働ける
期間工とはいえ、大手メーカーの「社員」であることに変わりはありません。したがって、社会保険も完備された環境で働けます。
たとえば、今までニートだった方は、いきなりどこかの社員になるのは難しいです。そういう場合は、無難にアルバイトから復帰するのが一般的でしょう。
バイトですから、もちろん社会保険はありませんよね。
しかし期間工は別で、やる気さえあれば、たとえニートでも採用されます。そうすれば、いきなり社員、いきなり高収入、いきなり社会保険完備が実現します。
ニートからの再スタートは何かと不安が募りますが、期間工であれば、最高の形で社会復帰ができるはずです。
給料は完全に勝ち組
期間工が「勝ち組」と言われる所以は、やはり給料です。
「そんなに給料がいいの?」と思うかもしれませんが、期間工が稼げるのは紛れもない事実。
メーカーによって給料は大きく異なりますが、年収400万円以上を稼げるところはザラです。トップクラスのメーカーであれば、年収450万円以上も稼げます。
とくに20代の場合、世間の平均年収は340万円ほど。
一方、期間工であれば、20代でもいきなり年収450万円以上も稼げるわけですから、完全に「勝ち組」になれます。
さすがに40代ともなると、期間工より世間の平均年収のほうが上回ります。
しかし、単発的に稼ぐことを考えると、いかに期間工の待遇が良いか理解できると思います。
貯金するには持ってこいの環境
また、給料が高いのに加え、寮費&水道・光熱費が無料なのも大きなメリットです。
収入が増え、なおかつ、生活費をかなり節約できるので、お金を貯めるには圧倒的に有利な環境です。
たとえば、しっかり稼げるメーカーで働けば、年間で300万円以上もの貯金をつくることができます。
方や、未経験からスタートできる一般的な仕事は、がんばってもせいぜい年間20〜30万円くらいしか貯金できないでしょう。なぜなら、給料も低く、家賃などの生活費もかかるからです。
ハッキリ言って、貯金300万円(年間)なんていうのは、夢のまた夢の話。
しかし、それが実際に可能なのが「期間工」という仕事です。
労働基準はきっちり守られている
期間工を募集しているのは大手メーカーばかりなので、「ブラック企業」はあり得ません。そのため、労働基準もしっかり守られています。
【労働時間】
- 定時:約8時間
- 残業の場合:9〜10時間
【休日】
- 週休2日
- 長期連休(GW、正月、お盆)あり
- 年間休日120日以上
大手企業ですから、いわゆる世間一般的な休みは確実に取れます。
また、日によって残業もありますが、せいぜい1〜2時間くらい。繁忙期で残業が3時間になることもありますが、ほとんど希なケースです。
しかも働いた分、きっちり残業代がつくので、稼ぎたい方にはむしろ好都合ですよね。
むしろ期間工は天国♪
ちなみに、私は飲食業に長年いましたが、労働環境はヒドいもんです。
- 週休1日(年間休日60日)
- 1日労働時間12〜14時間(残業代なし)
こんな条件で当たり前のように働いていました。
ある意味、私は「底辺」の仕事を経験してきたわけですが、それと比べると、大手メーカーの期間工で働けることは「天国」のように感じました。
正社員じゃないから気楽
期間工は「契約社員」になりますが、やはり正社員とは違います。
正社員の場合、現場の責任もありますし、部下の教育もしなければいけません。もちろん、上司からの指示やプレッシャーもあります。
しかし、期間工の場合は、どこか一歩下がったようなポジションというか、アルバイトに近い感覚があります。
作業における責任はありますが、会社または上司からの指示、責任が直接は降りかかることはありません。
実際のところ、「正社員でバリバリ働くのは苦手・・・」という方が期間工を選んでいるケースは多いです。
ただ淡々と作業をしていれば済むので、そういった意味では非常に気楽です。
退職することが前提だから辞めやすい
期間工の契約は「期限付き」なので、正社員にならないかぎり、いずれ退職することになります。つまり、はじめから辞めることが前提の雇用なんですね。
3ヶ月もしくは6ヶ月の短期契約を繰り返していくことになりますが、更新のタイミングでいつでも辞めることが可能です。
一般的な社員であれば、退職を切り出すのに引け目を感じることもあります。しかし、期間工であれば、辞めるときに妙な気を遣う必要はありません。
「期限付き」というのはデメリットでもありますが、一方で「辞めやすい」というメリットでもあるんですね。
これらが期間工の「ポジティブな側面」であり、仕事として選ばれている理由です。
整った労働環境で、しかもガッツリ稼げる。さらに採用基準も低いので、人気があるのもうなずけます。
慣れるまで続けられそうにないなら期間工はやめとけ
あらためて、期間工を「ポジティブ側」と「ネガティブ側」のそれぞれから見たポイントをまとめます。
ポジティブな側面
- 職歴&学歴不問(年齢も!)
- 採用率が高い
- ニートでも社会保険完備の大手企業で働ける
- 給料は完全に勝ち組
- 貯金するには持ってこいの環境
- 労働基準はきっちり守られている
- 正社員じゃないから気楽
- 退職することが前提だから辞めやすい
ネガティブな側面
- 単純作業の繰り返しでつまらない
- 体力的にきつい
- 夜勤が辛い
- コミュニケーションが少ないからストレスがたまる
- 末路がやばい
- 寮がボロい
- 工場に華やかさは皆無
良い点もあれば、悪い点もある。これは、むしろ当然と言えるかもしれません。
もちろん「楽して稼げる」とは言いません。常に立ちっぱなしで一連の作業を繰り返すので、疲れも感じます。
ただ、どんな仕事でも疲れますし、慣れるまで大変なのは一緒ですよね。
工場という環境、夜勤があるといったデメリットはありますが、その代わりに、いえ、それ以上のリターン(給料)を得られるのが「期間工」という仕事です。
だから、「工場仕事」というのさえ割り切ってしまえば、他の仕事よりも遙かに稼ぎやすいのは間違いありません。
あなた次第で期間工は地獄にもなるし天国にもなる
〜まとめ〜
いかがだったでしょうか。
今回は、期間工の良いところ・悪いところを包み隠さずお伝えしました。
つまるところ、期間工という立場、環境を活かすも殺すも、結局はあなた次第です。
ネガティブな側面にフォーカスすれば、期間工で働くのが辛くなってしまうでしょう。
方や、ポジティブな側面をしっかり理解しておけば、「稼げている!」という実感が沸き、その幸せを感じながら働けるはずです。
大事なのは、下手に甘い期待を持たないこと。工場仕事は決して華やかな世界ではありませんし、それなりに大変です。
しかし、それさえ割り切ってしまえば、あとは慣れるだけ。
そうすれば、転職活動で苦労した末に「稼げない仕事」に就くより、よっぽど効率よく、カンタンに稼げます。
そのあたりを踏まえ、期間工で働くかどうか検討してみてくださいね。