将来への不安から、「そろそろ正社員になっておきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
ところが、ハローワークなどで大手メーカーの仕事を探しても、なかなか正社員の求人は見当たりません。
というのも、大手でいきなり正社員になるのは難しいからです。
でも、期間従業員からスタートすれば、大手メーカーでも正社員にキャリアアップできる可能性は十分にあります。
正社員になるには、年齢が関係するのも確かですが、何より普段の勤務態度が大きな基準になります。
なぜなら、正社員になるためには「上司からの推薦」が必要だからです。
そこで今回は、期間工から正社員になる条件と、上司から推薦をもらうためのポイントを説明します。
期間工から正社員になる3つの条件
たいていの大手メーカーでは、期間従業員に対して「正社員の登用制度」があります。
しかしながら、希望すれば誰でも正社員になれるわけではなく、それなりに条件があります。
その1:一定期間の勤務経験が必要
まず第一に、期間工として一定期間を働かないと、正社員になるための試験が受けられません。
その理由は、主に次の2つです。
- その人の人間性や仕事ぶりを見る
- 仕事を覚えてもらわないと即戦力にならない
以上の理由から、期間工として一定期間の勤務経験が必要になります。
その期間はメーカーによって異なりますが、一般的には「1年間」が基準になります。
正社員になりたい方は、まずは1年間を勤め上げることを目標にかんがりましょう。
その2:上司からの推薦は必須
期間工から正社員になるには、「上司からの推薦」も必須です。
つまり、上司や周りから「正社員になってほしい」と思われる人材であるかどうかが問われます。
期間工は「期限付きの社員」ですが、上司から「退職させるのはもったいない」と思われれば、「正社員にならないか?」とお誘いがかかるわけです。
上司から推薦をもらうためのポイントは、次のとおりです。
【推薦をもらうためのポイント】
- 普段の勤務態度
- あいさつ
- 身だしなみ(茶髪、ピアス、不潔な服装などはマイナス)
- 職場でのコミュニケーション
- 報告、連絡、相談
- 遅刻、欠勤はNG(早めの出勤を心がける)
- 飲み会やイベントへ積極的に参加する
一般常識として、あいさつ、身だしなみ、コミュニケーションが重視されるのは当然ですよね。
普段の勤務態度が一番の評価基準
上司からの推薦をもらうには、普段の仕事ぶりが何よりも重要です。
たとえば、次のような態度は高評価を受けやすいです。
- 真面目に作業をこなす
- 仕事を積極的に覚える
- 仕事に対する創意工夫を提案する
- 業務に対する報告、連絡、相談を積極的に行う
カンタンに言うと、仕事に対する「積極性」が最も評価されます。
さらに、創意工夫、改善案などを考えるだけでなく、積極的に提案することも大切です。
こういった仕事ぶりが、上司から推薦をもらえるかを大きく左右します。
期間工から正社員を目指す方は、高い意識をもって普段からの業務に取り組むことが重要になります。
その3:年齢は若い方が断然有利!でも30代後半~40代でも十分可能
年齢も大きく影響します。会社としても将来性を見込んで正社員に誘うわけですから、「若い人」ほど有利なのは当然と言えるでしょう。
しかしながら、30代後半~40代、50代でも、正社員になれる可能性はありますし、実際にそういう人もいます。
ただ、やはり年齢が上がると、正社員へのハードルが高くなるのは事実です。
そのため、「普段の仕事ぶりで積極的にアピールする」など、より一層の努力が必要になります。
また、筆記試験では中学生レベルの問題が出ますが、年齢が高ければ記憶も薄れるため、どうしても不利になる傾向があります。
場合によっては、筆記試験に向けた対策も必要になるかもしれません。
正社員登用されるには若い人のほうが有利ではありますが、30~50代でも十分にチャンスはあります。
大事なのは、人間性と努力です!
中卒でも大卒でもあまり関係ない
正社員になるのに学歴を気にする方もいますが、実はそれほど影響はしません。
たとえば、中卒でも若くて意欲があれば、正社員になれる人もたくさんいます。
反対に、大卒でも普段の勤務態度が良くなければ、正社員になるのは難しいです。
あくまでも入社してからが勝負ですから、学歴はあまり気にせず、普段の勤務態度で積極的にアピールしましょう。
正社員登用試験(筆記試験、面接)の内容
上司から推薦をもらうには、やはり「普段の勤務態度」でいかに良い評価を受けるかがポイントになります。
ただ、それだけではなく、正社員への登用試験もクリアしなければいけません。
一次試験は書類選考と筆記試験
書類選考とは、履歴書による試験のようなもの。ここはあまり気にする必要はあません。
次に筆記試験ですが、「SPI」という一般の就職試験で用いられるテストになります。
SPIとは?
中学生レベルの国語と数学
- 国語は文章問題
- 算数は「+/—//÷」の基本的な計算に加えて少数や分数の計算
学生時代に勉強をある程度がんばっていた方にとっては簡単な問題です。
でも、もし不安なら、本屋で「SPI対策の問題集」を買い、事前に勉強しておくことをおすすめします。
二次試験は面接
書類選考と筆記試験をパスしたら、次は面接です。
実は、この「面接」が登用試験における関門になります。
なぜなら、面接では「人間性やマジメさ」「仕事に対する意識の高さ」「仕事に対する自分なりの将来的なビジョン」が問われるからです。
二次試験の面接でよく質問されることは、次のような内容です。
【面接での代表的な質問事項】
- 現在、どのような業務を担当しているか(仕事への理解度を見られる)
- 期間工での仕事で学んだこと
- 業務の創意工夫を提案しているか
- 今後どのように会社に貢献したいか
- 趣味など
面接では「あなたが会社にどう貢献してくれるか」が大きなポイントになります。
面接はアピールの場ですから、何を伝えるかはしっかり準備しておくことが大切です。
なお、「収入が安定するから」といった自己都合による主張は避けたほうが良いです。
あくまでも「会社にどう貢献するか」を上手に伝えることを意識しましょう。
期間工から正社員登用されるには「勤務態度」が超重要!
期間工から正社員になるには、主に次のような流れになります。
【期間工から正社員になるまでのステップ】
- 期間工として1年以上勤務する(メーカーによって条件は異なります)
- 上司から推薦を受ける
- 一次試験(書類選考、筆記試験)をクリアする
- 二次試験(面接)をクリアする
正社員として採用が認めれると、まずは今の契約を終えるまで期間従業員として働きます。
その後、準社員(正社員になるまでの試用期間)として3ヶ月働き、それを過ぎれば、4ヶ月目から晴れて正社員となります。
このように、「正社員への道のり」はそう簡単ではありません。
しかしながら、少子高齢化にともない、製造現場は人手を確保するのに必死です。
そんななか、期間工として実績を積んだ方は、いわば「現場の即戦力」になります。
ですから、普段の仕事ぶりでしっかりアピールすれば、正社員になることはそれほど難しいことではありません。
以前、私はアイシンAWで期間従業員として働いていたことがあります。
アイシンAWは正社員への採用に積極的なメーカーというのもありますが、たった半年で「正社員にならないか?」とお声がかかりました。
メーカーとしては、
人手はしっかり確保したい。でも誰でもいいわけじゃない。
そう考えると、やはり、普段の勤務態度でいかにアピールできるかがポイントになってきます。
期間工から正社員になれない会社で働いても意味がない!
〜おわりに〜
今回は、期間工から正社員になるための条件を解説しました。
大手の正社員になるためですから、そう簡単な道のりではありません。
でも、シンプルに考えれば、マジメに働いていれば、正社員になれる可能性は十分にあります。
ですから、諦めずに、まずは期間工からスタートしましょう!
ただ、大前提として、「正社員になりやすいメーカー」で働くことが肝心です。
というのも、登用制度そのものはあっても、なかなか正社員になれない会社もあるからです。
そこでどれだけ努力しても、取り越し苦労になってしまうので気をつけてくださいね。
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