期間工を辞めると失業保険はいくら貰える?
自分の場合はどうやって金額を計算するの?
給付期間は何日?
期間工で働いてる方であれば、退職後に失業保険がいくらもらえるのか気になりますよね。
失業保険をもらうには受給条件を満たしている必要がありますが、その条件をクリアしていればおおよそ50万円は堅いです。
ただし、失業保険の金額は、働いた期間や年齢、退職理由によって変わります。
そこで今回は、あなたが期間工を辞めてから失業保険がいくら貰えるのかを詳しく見ていきます。
失業保険の計算方法
失業保険の金額は、次のように計算します。
計算方法「基本手当日額」×「給付期間」=失業保険の金額
基本手当日額:失業保険1日分の金額
給付期間 :失業保険がもらえる期間
要するに、「失業保険1日分の手当」が「何日間」もらえるかによって金額が決まります。
【受給記録】
事例として、私が期間工を辞めたときの「失業保険の金額」がこちら↓
基本手当日額 失業保険1日分の金額 |
5,549円 |
給付期間 | 90日 |
失業保険の金額 | 5,549円×90日 =約50万円 |
このように失業保険は計算します。
したがって、
- 基本手当日額
- 給付期間
が分かれば、あなたが退職してから失業保険がいくらもらえるのか想定できます。
では、この2点の求め方を順番に説明します。↓
基本手当日額(失業保険1日分の金額)の計算方法
基本手当日額(失業保険1日分の金額)は、賃金日額(前職1日分の給料)をもとに計算します。
まずは、賃金日額を求めます。↓
「退職前6ヶ月間の給料総額」÷180日=賃金日額
※ここでの給料には残業代や交通費、深夜手当などは含めますが、ボーナスは除外。
さらに、賃金日額に給付率を掛けたのが、失業保険1日分の金額になります。↓
「賃金日額」×「給付率」=基本手当日額
賃金日額:前職1日分の給料
給付率 :期間工くらいの給料なら60%
〈給付率について〉
なお、給付率は50〜80%の幅がありますが、これは前職の給料によって変わります。
- 前職の給料が高い:給付率が低い
- 前職の給料が低い:給付率が高い
つまり、以前の給料が低いほど、その金額に近い失業保険がもらえる仕組みになっています。
ちなみに、期間工ほどの給料なら、給付率は60%ほどです。
【具体例】
少し分かりづらいと思うので、「月収30万円」の場合で具体的に計算してみましょう。↓
◆賃金日額(前職1日分の給料)の計算
前職の月収 | 30万円 |
6ヶ月間の給料総額 | 30万円×6ヶ月 =180万円 |
賃金日額 | 180万円÷180日 =1万円 |
つまり、この場合、前職では「1日1万円」の給料をもらっていたことになります。
◆基本手当日額(失業保険1日分の金額)の計算
賃金日額 | 1万円 |
基本手当日額 | 1万円×60%(給付率) =6,000円 |
したがって、前職で月収30万円くらいを稼いでいれば、基本手当日額(失業保険1日分の手当)は6,000円程度になります。
これで基本手当日額がわかります。
失業保険の給付期間
続いて、給付期間(つまり、失業保険が何日分もらえるか)を見ていきます。
給付期間は、
- 退職理由
- 雇用保険の加入期間
- 年齢
に応じて変わります。
給付期間が何日になるのか、下記の表でチェックしてみましょう。
【会社都合またはやむを得ない事情で退職する場合】
※解雇、倒産、雇い止め、病気、ケガ、体力不足、親の介護などの理由
雇用保険の加入期間 | |||
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
|
〜29歳 | 90日 | 90日 | 120日 |
30〜34歳 | 120日 | 180日 | |
35〜44歳 | 150日 | ||
45〜59歳 | 180日 | 240日 |
1年以内に会社都合で辞めると、給付期間は90日です。
1年以上働いていれば、年齢に応じて給付期間が長くなります。
【自己都合で退職する場合】
雇用保険の加入期間 | |||
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
|
全年齢共通 | ー | 90日 |
1年以内に自己都合で辞めると、給付期間は0日。つまり失業保険はもらえません。
1年以上働いていれば、自己都合でも90日分の失業保険がもらえます。
あなたが退職するときの状況と上記の表を照らし合わせれば、給付期間が分かります。
これで、失業保険の金額を求めるための
- 基本手当日額(失業保険1日分の金額)
- 給付期間(失業保険がもらえる期間)
が分かりました。
期間工は失業保険がいくらもらえる?
計算の順番をあらためて確認しますね。
失業保険の計算手順
- 前職1日分の給料を計算する
- それに給付率を掛け、失業保険1日分の金額を計算する
- 表から給付期間を調べる
- 失業保険1日分の金額と給付日数を掛け、失業保険の総額を計算する
ではこの手順に従い、より具体的な数字で計算してみましょう。
なお、設定を次の通りとします。
- 年齢:20代
- 雇用保険の加入期間:1年間
- 退職理由:自己都合
【期間工が貰える失業保険の金額】
【STEP1】賃金日額の計算
期間工の給料は、平均すると月収29万円くらい。残業代や深夜手当などを含めますが、満了金・祝い金は入れません。
したがって、賃金日額は次のとおりです。
(29万円×6ヶ月)÷180日=約9,600円
【STEP2】基本手当日額の計算
期間工くらいの給料であれば、失業保険の給付率は60%程度。
したがって、基本手当日額は次のとおりです。
9,600円の60%=5,760円
つまり、期間工を退職すると、失業保険1日分の手当は約5,760円になります。
【STEP3】給付期間を調べる
- 働いた期間1年
- 20代
- 自己都合による退職
この条件のもと、上記の表で給付期間を調べると「90日」になります。
【STEP4】失業保険の金額を計算
- 基本手当日額5,760円
- 給付期間90日
以上から、失業保険の総額を計算すると、次のとおりです。
5,760円×90日=518,400円
結果発表!
- 20代
- 期間工1年
- 自己都合による退職
この条件で計算したところ、失業保険は約52万円になりました。
「直近6ヶ月の給料」によって失業保険の金額は変わりますが、おおよそ50万円前後になるはずです。
ちなみに、30歳以上の方が会社都合で辞める場合は、この金額の1.2〜1.5倍の金額になります。
自己都合で辞めるなら1年以上が条件!
ただし、1年以内に自己都合で辞めると、受給条件をクリアできずに失業保険がもらえません。
したがって、失業保険をもらうには、期間工で1年以上働く必要があります。
なお、会社都合で辞める場合は、6ヶ月で失業保険がもらえます。
【実際の受給記録】期間工1年で失業保険は約50万円
では、ここまでの説明を納得してもらうために、実際の証拠をお見せします。
私が期間工で1年働き、自己都合による退職したときの「失業保険の受給記録」がこちら。↓
90日分の失業保険が4回に分けて支給され、その総額は499,410円。
もちろん普通に稼ぐよりは少ない金額ですが、タダでこれだけの手当がもらえるのは非常に助かりました。
ただ、期間工を1日でも早く辞めていたら、失業保険はもらえていません。ですから、受給資格について理解しておくことはとても重要だと痛感しました。
失業保険の金額を決定づける要因
〜まとめ〜
今回は、期間工を辞めると失業保険がいくら貰えるのか?というテーマで解説してきました。
あらためて、失業保険の金額を左右する要因をチェックしましょう。
- 期間工(直近6ヶ月)の給料
- 働いた期間(雇用保険の加入期間)
- 退職理由
- 年齢
このうち、唯一コントロールできる要因は「働いた期間」です。
自己都合による1年未満の退職は失業保険がもらえません。一方、自己都合でも1年以上働けば失業保険はもらえます。
したがって、自己都合で辞めるときは「1年の満了退職」が失業保険をもらうための最低ラインになります。
これで50万円を貰えるか貰えないかが決まるので、退職するときはくれぐれも注意してくださいね。