工場の求人によっては、雇用形態が「期間従業員(期間工)」と「派遣社員」の2つのパターンがあります。
しかし、期間工と派遣社員の違いを理解していないと、どちらの雇用形態で働くべきか迷ってしまいますよね。
同じ勤務地であれば、期間工も派遣社員も仕事内容、労働時間などに違いはありません。
ただし、一番肝心な給料形態は異なり、一般的には期間工のほうが好条件です。
したがって、雇用形態が期間工と派遣社員の2つのパターンがある場合は、「期間工」の求人を選ぶことをオススメします。
また、給料だけではなく、期間工と派遣会社の違いは他にもたくさんあります。
そこでこのページでは、期間工と派遣社員のどちらで働こうか迷っている方のために、2つの雇用形態の違いを詳しく説明します。
目次
期間工と派遣社員の違い6選
期間工と派遣社員は、主に次の6つのポイントで違いがあります。
期間工と派遣社員はココが違う!
- 雇い主が違う
- 社内での地位が違う
- 給料が違う
- 正社員のなりやすさが違う
- 失業保険の受給時期が違う
- 面接の回数が違う
期間工と派遣社員は雇用形態が異なるため、待遇が違うのは当然と言えるかもしれません。
とくに在職中の給料や退職後にも影響するので、その違いを十分に理解しておくことが大切です。
以下では、上記6つの違いについて、それぞれ詳しく解説していきます。
【雇用】期間工はメーカー直接雇用で、派遣社員は”派遣会社”の社員
期間工と派遣社員の根本的な違い、それは雇い主です。
たとえば、A社のT工場にて、期間工と派遣社員の2つの求人があったとします。
〈期間工の場合〉
期間工は、A社の「直接雇用の契約社員」になるので、雇い主はA社ということになります。
〈派遣社員の場合〉
一方、派遣社員もT工場で働くことに変わりはありません。
しかし、あくまでも「派遣会社の社員」としてT工場に派遣される形になります。
したがって、雇い主は派遣会社になります。
つまり、同じT工場の勤務でも、全く違う会社の社員として働くことになるんです。
雇い主が変われば待遇も異なるため、決定的な違いになります。
〈補足〉
さらに言うと、期間工は大手A社に直接雇ってもらえるので、それなりに社会的信用度も高くなります。そのため、クレジットカードやローンの審査などで有利です。
【立場】社内の地位は期間工より派遣社員のほうが下
前述のとおり、基本的に、期間工も派遣社員も仕事内容に大きな違いはありません。
しかし、厳密に言うと、派遣社員はそのメーカーの従業員ではなく、”他社”の社員になります。ですから、立場上は期間工よりも下の地位になります。
順番はこんな具合↓
そのためか、派遣社員のほうが若干キツい工程に配属される傾向があります。
派遣社員はそのメーカーの従業員ではないので、どうしても立場が弱くなってしまうのは否めません。
【給料】派遣社員より期間工のほうが稼げる
重要!
一番気になる給料ですが、ここでも違いが生じます。
クドいようですが、期間工と派遣社員は別々の会社の従業員です。そのため、給与形態も異なります。
たとえば、スバルの期間工と派遣社員の給料を比べてみましょう。
基本給は以下のとおりです。
【スバルの基本給】
期間工 | 派遣社員 | |
基本給 | 日給9,000円〜 | 時給1,500円 日給換算12,000円 |
これだけを見ると、派遣社員の給料が圧倒的に高いように思えます。
しかし、期間工の給料は基本給だけで決まるのではなく、他にもたくさんの手当が付きます。
- 入社祝い金
- 慰労金
- 皆勤手当
- 赴任手当
- 夏季正月手当
- 食事補助など
期間工にはこれだけの手当が付くので、総支給を比べると形勢は逆転します。
その証拠に、年収の目安を比べてみます。
【スバル1年目の年収目安】
期間工 | 派遣社員 | |
1年目の年収 | 約450万円 | 約400万円 |
ご覧のとおり、年収ベースで見ると、期間工のほうが好条件なのは明らかです。つまり、スバルの場合は、派遣社員より期間工のほうが稼げます。
ですから、派遣社員の”時給の高さ”にだけ囚われていると、後悔する羽目になります。
期間工のほうが稼げる理由とは?
しかし、同じ仕事をしているのに、なぜこれほど給料が違うのでしょうか。
この差は、やはり雇用主による違いが大きいと思います。
〈期間工の場合〉
というのも、期間工はメーカーの直接雇用ですから、大手ならではの待遇が給料にそのまま反映されます。
〈派遣社員の場合〉
しかし派遣社員の場合は、メーカーからの報酬が一旦、派遣会社に渡り、儲けを差し引いてからあなたに給料が支払われます。
つまり、派遣会社が中間マージンをカットするため、どうしても本来の報酬より下がってしまいます。
したがって、稼ぐことを考えると、期間工のほうが有利なのは確実です。
参考記事:期間工が稼げる理由とは?
【将来】派遣社員より期間工のほうが正社員になりやすい
また、正社員のなりやすさも変わってきます。
通常、大手メーカーの工場でいきなり正社員として働くのは難しいです。
しかし実は、期間工あるいは派遣会社からスタートすれば、その後、正社員にキャリアアップできる可能性があります。将来の安定を望む方にとっては、かなり有効なルートになります。
ただし、正社員になることを考えると、期間工のほうが断然に有利です。
〈派遣社員の場合〉
しかし、派遣社員は”派遣会社”の従業員になるので、メーカーの正社員を目指すとなると
派遣社員→期間工→正社員
という具合に、まずは期間工にならないと正社員に採用されない場合があります。これでは、正社員への道のりが非常に長くなってしまいます。
したがって将来、正社員を目指すのであれば、直接雇用の期間工からスタートするのが賢明です。
【退職後】失業保険が早く貰えるのは期間工
工場で1年以上働けば、雇用保険の加入期間が12ヶ月以上になるため、仕事を辞めると失業保険の受給資格を得られます。
ただし、期間工と派遣社員では、失業保険をもらえるタイミングが変わってきます。
〈期間工の場合〉
期間工を契約の節目で辞めれば「満了退職」という扱いになり、失業保険の申請をしてから約1ヶ月後から受給がスタートします。
〈派遣社員の場合〉
一方、派遣社員はたとえ満了退職しても、また別の仕事を派遣会社からすぐに紹介してもらえます。しかし、それでも退職するということは、仕事の紹介を断り、完全に自己都合で辞めることになります。
この場合、失業保険をもらうまでには「3ヶ月の待機期間」が設けられるため、実質、受給がスタートするのは申請から約4ヶ月後になってしまいます。
これは、失業保険をもらえるタイミングと”退職理由”が大きく関わるからです。
簡単に言うと、期間工のほうが失業保険を早くもらえるんですね。先々のことを考えると、非常に大きな違いになります。
【応募】期間工は派遣社員より面接が1回多い
入社するまでに受ける面接の回数も違うので、頭に入れておきましょう。
〈期間工の場合〉
ちょっとややこしいんですが、期間工に応募するときは派遣会社(紹介会社)を経由して応募するのが一般的です。なぜなら、ネット上のほとんどの求人は派遣会社が掲載しているものだからです。
たとえば、有名な求人サイト「期間工.jp」は、アウトソーシングという派遣会社が運営しています。
そのため、期間工.jpに掲載されている求人に応募すれば、おのずとアウトソーシングを経由することになります。
この場合、入社までの流れは次のとおりです。
- WEB応募
- アウトソーシングとの面接(面談)
- 企業との面接(選考会)
- 入社
つまり、期間工に応募すると、面接を2回受ける必要があります。
参考時期:失敗しない!応募から入社まで手順
〈派遣社員の場合〉
一方、派遣社員になる場合は、次のような流れになります。
- WEB応募
- 派遣会社との面接
- 派遣登録
- 工場へ派遣
この場合、面接は派遣会社との1回のみ。つまり、派遣会社の面接にクリアすれば、メーカー(派遣先)の面接を受ける必要はありません。
正直、そこまで大きな違いではありませんが、強いて言えば、派遣社員のほうが働き始めるまでのステップは若干ラクです。
メーカー公式求人サイトから期間工に応募するのはNG?
なお、期間工に応募するときでも、派遣会社を経由せず、”メーカー公式の求人サイト”から直接応募することもできます。この場合、面接は1回のみで済みます。
ただし、入社祝い金やサポートなどの特典がなくなるので、直接応募はオススメできません。
少し手間はかかりますが、期間工に応募するときは”派遣会社経由”が断然おトクです!
参考記事:派遣会社経由で応募するべき理由
期間工と派遣社員の契約期間は同じ
ちなみに、工場で働ける期間は、期間工と派遣社員に違いはありません。
期間工は、1回の契約で働けるのは「最長2年11ヶ月まで」と法律で決まっていますが、この点は派遣社員も同じです。どちらの立場でも、一つの現場で3年以上継続して働き続けることはできません。
したがって、「期間工→正社員」もしくは「派遣社員→期間工」にキャリアアップしないかぎり、2年11ヶ月を満了すると必ず退職することになります。
ただ、先述したように、不景気になると真っ先にクビを切られるのは派遣社員です。そういった意味では、期間工のほうが雇用は安定すると言えるかもしれません。
【結論】自動車・部品工場で働くなら、派遣社員ではなく期間工がオススメ!
以上が、期間工と派遣社員の違いです。内容を簡単にまとめます。
期間工と派遣会社の違いチェック表
期間工 | 派遣社員 | |
雇い主 | メーカー | 派遣会社 |
社内地位 | 正社員の下 | 期間工の下 |
給料 | 年収450万円 スバルの場合 |
年収400万円 スバルの場合 |
正社員登用 | 目指しやすい | 採用されにくい |
失業保険の受給時期 | 約1ヶ月後 | 約4ヶ月後 |
面接回数 | 2回 | 1回 |
雇用期間 | 最長2年11ヶ月 | 最長2年11ヶ月 |
あたらめて比較してみると、やはり期間工のほうがメリットは多いです。
中でも一番注目すべきなのは”給料”。同じ現場で同じような仕事をするのに、給料は全然変わってきます。
当然ではありますが、少しでも多く稼げるほうがイイですよね。
したがって、同じメーカー同じ工場でも「期間工」と「派遣社員」の2つのタイプの求人がある場合は、期間工のほうに応募することをオススメします。
期間工でもメーカーによって給料は全然違う!
ただし、期間工であれば必ず稼げるわけではありません。年収300万円のメーカーもあれば、500万円近く稼げるところもあります。
ですから、期間工で働くにしても、しっかり稼げるメーカーに応募することが肝心です。
そこでオススメなのが、期間工の優良求人のみを扱う人気No.1の求人サイト「期間工.jp」です。
期間工.jpで紹介されている求人であれば、1年目でも年収450万円以上稼ぐことが可能。もちろん、短期でガッツリ稼げる求人もたくさん紹介されています。
仕事を探すときは、必ずチェックしてくださいね。
ちなみに、その求人のなかでも特に稼げるのが、以下のランキングで紹介している5社です。