「なんで期間工の給料って高いの?」
「稼げるってホント?」
「給料がいいってことはキツいんでしょ・・・」
「未経験で30万円も稼げるなんて裏があるに決まってる!」
稼げると言われる期間従業員の仕事ですが、なぜそんなに給料が高いのか、稼げる理由が気になりますよね。
でも、稼げるのはホントの話。
大手メーカー直接雇用の仕事ですし、やっぱり夜勤があるのが大きいです。
それに、正直なところ、工場仕事ってあまり人気がないので、給料を高くしないと人が集まらないんです。
ですから、工場で働くことさえ割り切ってしまえば、別に大した経歴がなくても年収で450万円前後は稼げます。
そこで今回は、期間工に興味を持った方のために、なぜ給料が高いのか、その理由について詳しく説明します。
「未経験でも月30万円以上」なんて怪しい!
実際に求人情報を見てみると、「稼げる!」といった内容が派手に書かれていますよね。
■トヨタの募集ページ
「月収例28.1〜30.3万円」
「在籍1年目 年収455万円以上」
■スバルの募集ページ
「応募特典最大45万円支給」
「月収目安36.1〜38.0万円」
「最初の1年で484.4万円も稼げる」
■日産車体九州の募集ページ
「月収例33.8万円」
■マツダの募集ページ
「入社祝い金35万円」
「月収例30.2万円」
「未経験でも初年度年収420万円以上可」
■アイシンAWの募集ページ
「月収例30.5万円以上可」
「半年で223万円稼げる!」
「初月最大50.5万円以上可」
こう派手に書かれていると、「えぇ本当に稼げるの? 怪しい・・・ (¬_¬)」なんて疑いたくなりますよね。
でも、求人情報のウソはNG。ましてや大手メーカーの求人ですから、書かれている内容はすべて事実です。
求人情報の月収例は要注意
ただし、少々誇張した金額が書かれているのは否めません。
たとえば、トヨタとスバルの月収例とその基準を比べてみましょう。
【トヨタ】 | |
【月収例】 28.1〜30.3万円 |
【労働時間】 21日勤務 残業20h 深夜手当35h、時間帯手当78.25hを含む |
【スバル】 | |
【月収例】 36.1〜38.0万円 |
【労働時間】 稼動日数 22日(早番10日、遅番10日、休出2日) 残業時間25H 皆勤・交替勤務・慰労金・残業手当他含む |
月収例だけを見れば、スバルのほうが条件は圧倒的に良いです。
しかし、基準をよく見ると、スバルの月収例は「休日出勤」「残業+5h」「皆勤手当」「慰労金」がすべて含まれた金額になっています。
そりゃ月収も高くなるわけです!
このように、どういう基準で給料を計算しているか、メーカーによって全然違います。
決してウソの情報ではありませんが、単純に数字だけをパッと比較して、稼げる稼げないを判断しないようにしてくださいね。
※同条件で給料を比較したランキングはこちら
期間工の給料が高くなる仕組みとは?
では本題です。
期間工の給料がなぜそこまで高くなるのか、給料形態について具体的に見てみましょう。
基本給が高い
まず第一に、そもそもの基本給が高いことが挙げられます。
【期間工の基本給】
メーカー | 基本給 |
トヨタ | 日給9,900〜11,200円 |
スバル | 日給9,000〜9,600円 |
マツダ | 日給8,020〜10,250円 |
ホンダ | 日給10,300円〜 |
アイシンAW | 時給1,420円〜 |
トヨタ紡織 | 時給1,600円〜 |
未経験からはじめられる一般的な仕事では、日給8,000円くらいが相場。それと比べると、期間工の日給がいかに高いか分かると思います。
さらに、「残業手当」「深夜手当」「休日出勤手当」もきちんと支給されます。
【時間外手当の相場】
残業手当 | 基本給の約1.3倍 |
深夜手当 | 基本給の約1.3倍 |
休日出勤手当 | 基本給の約1.4〜1.5倍 |
残業代がまともにもらえない会社も多いなか、期間工は働いた分の給料がきっちり支給されるのはありがたいですよね。
契約満了時にボーナスが出る
さらに、期間工はボーナスも出ます。いわゆる「満了金」と言われる手当です。
一部のメーカーを例に挙げて、ボーナスがいくらもらえるのか見てみましょう。
【期間工のボーナス】
メーカー | 満了金の総額 (2年11ヶ月) |
トヨタ | 306万円 |
日産 | 290万円 |
スバル | 227万円 |
スズキ | 210万円 |
ホンダ | 184万円 |
満了金は3〜6ヶ月の短期契約を終えるごとにもらえます。
メーカーによって金額は異なりますが、1回の契約で数万〜数十万円もの手当になります。
それだけの金額がふだんの給料とは別にもらえるので、そのお陰で、総支給がかなりアップします。
各種手当が厚待遇
ほかにも、メーカーによってさまざまな手当が用意されています。
【各種手当】
手当の種類 | 支給額の目安 |
経験者手当 | 1〜10万円 |
食事手当 | 1〜3万円 |
赴任手当 | 2〜3万円 |
赴任、帰省旅費支給 | 負担額分 |
家族手当 | 2万円(1人あたり) |
皆勤手当 | 2〜4万円/月 |
もっとも影響が大きいのは「皆勤手当」。がんばってマジメに働けば、月に数万円単位で給料がアップします。
そのほかの手当も金額こそ高くはないですが、もらえると意外と嬉しいものです。
入社祝い金が高い
そして極めつけは「入社祝い金」。
ふつう、祝い金なんて、もらえたとしてもせいぜん1〜3万円くらいでしょう。
でも、期間工の入社祝い金は異次元に高いんです!
【入社祝い金が高いメーカー】
メーカー | 入社祝い金 |
日産車体九州 | 64万円 |
トヨタ | 45万円 |
マツダ | 45万円 |
スバル | 45万円 |
日産九州 | 31万円 |
日産 | 30万円 |
日産車体 | 30万円 |
NTN | 28万円 |
豊田自動織機 | 20万円 |
ホンダ | 20万円 |
アイシンAW | 20万円 |
オートワークス京都 | 20万円 |
一定の条件はありますが、入社しただけでこれだけの祝い金がもらえるのは相当デカいです。
期間工が稼げる仕組み
- 基本給が高い
- ボーナスが出る
- 各種手当も充実
- 入社祝い金が高い
以上4つの要素があるため、期間工の給料は高くなるんです。
期間工の給料が高い理由4選
でも、大手メーカーはなぜ期間従業員の給料をそこまで高く設定するんでしょうか?
一般的には、「高収入の仕事=きつい」と連想しがちですが、期間工はキツいというよりも、ほかに給料が高くなる理由があります。
大手メーカーの直接雇用
最も大きな理由は、期間工が大手メーカーの直接雇用だからです。
たとえば同じ業種でも、大手と中小企業を比べると年収に100万円以上もの差が生じるのは良くある話。
期間工は大手メーカー直接雇用の契約社員だからこそ、その恩恵を直接受けられるメリットがあります。
簡単に言うと、雇い主が「大手」だから給料が高いんです。
雇用が期限付き
期間工は「有期雇用」の仕事です。
契約期間は最長2年11ヶ月までで、契約が終われば、いずれ退職することになります。
メーカーとしては都合良く人を使うことができる一方で、期間工で働く方にとっては「雇用が安定しない」のはリスクです。
しかし、そのような仕事は安月給だと人が集まりません。だから、メーカーは入社祝い金やボーナスを高くして人材を募集しています。
期間工の給料が高いのは、こういった理由も背景にあります。
製造現場の人手不足
日本では、年間で数百万台ものクルマが製造されていますが、当然ながら、それ相応の人手も必要です。
しかしながら、日本は少子高齢化がどんどん進んでいるため、クルマ産業だけでなく、製造メーカーは慢性的な人手不足に陥っています。
では各メーカー、どうやって人を集めるかというと、「待遇を良くする」しかありません。
つまり、期間工の給料が高いのは、それだけメーカーが人手不足で困っている証拠でもあります。
労働環境
期間工の労働環境にも給料が高くなる理由があります。
基本的に、大手メーカーの工場は「日勤・夜勤」の交替制になるため、生活リズムがどうしても不規則になります。
仕事もライン作業になるので、非常に単調です。
このような仕事柄、「工場勤務に憧れています!」なんて人はほとんどいないわけです。
しかし、絶対的に人手は必要なので、「高待遇で人材を募集している」というカラクリです。
期間工で働くデメリット
- 雇用が期限付き
- 夜勤がある
- 仕事が単調
期間工はこのようなデメリットもあるので、それが故の「高待遇」とも言えるでしょう。
しかし裏を返すと、工場で働くことさえ割り切ってしまえば、これほど稼ぎやすい仕事はありません。
どう考えるかはあなた次第ですが、「稼ぎたい方」にとって、期間工で働くことは非常に有効な手段だと思います。
【補足】期間工より稼げる仕事は?
ちなみに、大手自動車メーカーの給料と一般的な平均年収を比べると、こんな感じです。
【期間工と一般平均年収の比較】
期間工の年収(1年目) | 一般的な平均年収 |
トヨタ:496万円 スバル:451万円 日産:454万円 マツダ:446万円 ホンダ:445万円 |
20代:346万円 30代:455万円 |
待遇がトップクラスのメーカーにもなると、1年目でいきなり450万円も稼げます。
この金額は、10年近くのキャリアを積んだ、世の中の30代の平均年収とほぼ同じくらい。20代と比べると、期間工のほうが給料は圧倒的に高いです。
期間工であれば、年齢問わず、まったくのノンキャリア(未経験)でも、すぐこの金額に到達します。
では、期間工よりも稼げる、年収500万円以上の職業というと、たとえば
- 医者、看護師、薬剤師
- 公務員、教師
- 弁護士、会計士、税理士
- 中小企業の管理職
- 自衛官
- 管理栄養士
などがあります。
しかし、これらの職業は、学歴や資格、キャリアがあってこその給料です。
それに対して期間工は、年齢や学歴、職歴不問、さらには8割ちかい高採用率です。
こう比較すると、期間工がいかに稼ぎやすいか理解できるのではないでしょうか。
期間工の給料が高いのは納得の事情があった
今回は、期間工が稼げる仕組みや、その理由について解説しました。
確かに、工場勤務という仕事柄、人によっては向き不向きがあります。また、その会社で正社員にならないかぎり、将来の安定も望めません。
しかし、それさえ割り切ってしまえば、今すぐに高収入を得られる仕事です。
「ウマい話には裏がある」というのは通説ですが、期間工には稼げる理由がきちんとあります。
その点をよく理解したうえで、応募を考えてみましょう。
ただし、肝心なのは、「しっかり稼げるメーカー」で働くこと!
会社によって給料は全然違うので、求人を選ぶときは十分に注意しましょう。